
山頂に辿り着いたときの達成感と爽快感。絶景とともにある“ご飯”は、格別そのものだ。がしかし、携行品が限られる登山だけに、手の込んだ食事はなかなか叶わない…。
そこで僕たちはこう願う。「本当にウマイ山メシを味わいたい」と。
マウンテン グルメ ラボは、そんな欲を満たす相棒になるはずだ。

制約がある中でもおいしい山ご飯を。そんなコンセプトが特徴の「マウンテン グルメ ラボ」は、すっかり山の魅力にハマった三好さんと、和食店「namida」のオーナーシェフを務める田嶋さんによるコラボレーションで生まれたクラフトヤマメシブランドだ。
“シェフが本気で作ったドライフード”として確固たる地位を確立したラインナップが自慢だが、その誕生に至るまでに、どんな発想で、どんな経緯で、どんな試行錯誤があったのだろうか。その裏側には、食への飽くなき探究心と挑戦があった。

namida
オーナーシェフ田嶋善文さん
namida オーナーシェフ田嶋善文さん
熊本県天草市出身。和食店「namida」オーナーシェフであり、ソムリエ・唎酒師・ふぐ調理師でも。マウンテン グルメ ラボのメニュー開発を担当している。クッカー収集家で、好きな山は蝶ヶ岳。

株式会社パーク 代表取締役三好拓朗さん
香川県綾川町出身。ブランディングカンパニー PARK Inc.代表で「MOUNTAIN GOURMET LAB.(マウンテン グルメ ラボ)」の発起人。自他ともに認める食いしん坊。好きな山は白峰三山。
株式会社パーク
代表取締役三好拓朗さん

× INTERVIEW
ー「マウンテン グルメ ラボ」誕生のきっかけを教えてください。
登山が好きで、尾根を伝って歩く縦走スタイルに出会ったんです。下山せず次の山に向かうので何日もかかることも。だから、荷物は最低限。食事も簡素で味気ないものでした。短期間なら我慢できますが、それが続くと飽きるんですよね。旅行先でもおいしいお店しかマッピングしないほどの食いしん坊なので。だから、山でもご飯を充実させたいと思い企画したんです。
ー田嶋さんに開発を打診したのはなぜでしょう?
以前からnamidaにはよく訪れていたんです。この人なら、きっとおいしい山ご飯を形にしてくれるはずだと、思い切って相談しました。
ー田嶋さんは山でのご飯に対して興味はあったのですか?
ちょうどそのころ、山菜やキノコ料理のために山によく行っていたんです。より深い山中で採るには、アウトドア経験が必須だなと感じていました。せっかくなら新鮮なうちに山で調理できたらいいな、とも。とはいえ、許可なく採れないし、調理も油や大量の水を使うわけにはいきませんから…。じゃあどうする?と考えていたところに、三好さんに相談を受けたというわけです。

ー相談されたとき、率直にどう思われましたか?
普段の生活ではあまり意識してませんでしたが、山ではカップ麺の残り汁を一滴でも捨ててはいけないと知り、挑戦しがいのあるプロジェクトだなと感じました。山もお店も自宅も同じ地球。全部繋がっているんですよね。そう気づいたときに、とても興味が湧いたんです。
ー開発にあたり、まずはどのようなことを?
いわゆる山食として売られているビバークレーションをはじめ、さまざまなドライフードを試しました。工夫と技術的な挑戦が詰まった商品ばかりで、その試行錯誤の過程にも学ぶことが多かったですね。そのうえで、さらにおいしさを追求できる可能性もあるな、とも感じました。

ーどのようなことが大変でしたか?
まずは商品そのものの開発。そして同時に生産ラインとしてどう成立させるか。既存のドライフードではなし得なかったことをやろうとしていたので、正直どの段階でも困難なことばかりでした。
単純に食材を乾燥させればいいというわけではないんです。それぞれ水分含有量が異なるので、当然、調理時に必要な水分量も違います。例えば、ニンジンにはこの量・肉にはこの量…という具合に。つまり、料理としては理想的な食材の組み合わせだとしても、ドライフードとしては合わないということも多々。なので、食材ごとの適切な水分量をとことん調べ上げました。

ーよりおいしく食べるコツってありますか?
調理の際、“完全に沸騰”させることです。100℃で水分が食材にしっかり浸透するように計算しているので、クッカーのふちだけでなく中央までボコボコと煮立つまで、沸騰させてください。
ー災害時や普段の食事にも有用ですね。
そのようなシーンにもぜひ取り入れて欲しいです。残業や試験勉強の夜食としても。マウンテン グルメ ラボがあれば、世界中どこにいてもそこがレストランになりますから。
自宅でマウンテン グルメ ラボを食べたことで、山に興味を持ってもらえるとうれしいです。




長州鶏の旨みとマイタケの出汁、シェリーのコクと酸味を加えたリゾット。
実はこれ、田嶋シェフがフランスのジュラ地方を訪れた際に衝撃を受けた「コック・オ・ヴァン・ジョーヌ」という料理を、日本で手に入る食材でアレンジしたもの。みずみずしい北アルプスの山々を思い浮かべながら、和のテイストをミックスした自信作だ。


「エキゾチックにしてシャープな味わいが、屋久島の宮之浦岳をイメージさせる」と言わしめるグリーンカレー。
豚の挽肉にアクセントとしてタケノコを加え、さらに長門ゆずきちという、ライムや柚子に似た山口産の香酸柑橘を投入しているのが特徴。一口食べるごとに食感や味が変化する、何度食べても飽きない仕上がりに。

一言
タケノコのシャキッとした食感と柑橘の爽やかな香りが、山の空気のように心地よい一皿。パクチーやオリーブオイルをちょい足しすると、さらに奥行きのある風味に


ヘルシーなラム肉と豆、そしてトマトシチューを組み合わせ、プラムでアクセントをプラス。
ブルグルと呼ばれるデュラム小麦のひき割りと一緒にすることで、満足感も格別に。中東、アフリカ、フレンチをミックスした独特の組み合わせは、シェフがレシピを考える同ブランドらしい新しい感覚を楽しませてくれる。

一言
ラム肉の風味と豆のほっくり感を、トマトの酸味が引き締める一皿。ヨーグルトやミントを添えると、さらに異国情緒あふれる味わいが楽しめます


山を歩き回って疲れきったときに、まさしく食べたいガッツリ系の一品。
いわゆる豚汁ぶっかけ飯で、玉ネギやニンジン、ゴボウやジャガイモを濃厚なポタージュにし、たっぷりの豚の細切れを煮込んでいる。加藤兵太郎商店の旨みたっぷりの味噌といりこ出汁による芳醇な香りも、疲労したカラダに元気を与えてくれる。

一言
豚の旨みが染みた雑炊に、山椒七味のピリッとした香りが心地よい刺激をプラス。ひと工夫するなら、刻みネギやすりごまを加えてさらに風味豊かに


ニンニクと生姜を効かせた炸醤(ザージャン)は、肉味噌をベースに唐辛子や花椒、紹興酒や黒酢などによる香りと刺激が豊かなソース。
そこにトマトソースを組み合わせることで酸味と自然な甘味をプラス。ご飯と混ぜ合わせて、パンチのある麻婆飯に仕上げた。さらに厚揚げも加えて、食べ応えも十分な一品に。

一言
甘辛い炸醤とトマトの酸味が織りなす、クセになる味わい。粉チーズをひと振りすると旨みが増し、新たな魅力が引き立ちます


マウンテン グルメ ラボでは、行動食としてはもちろん、普段のおやつにもぴったりな“ドライフルーツ”も展開。砂糖や香料などを使用せず、独自に導き出した温度と時間で乾燥させることで、素材の味を引き出す独自の製法で仕上げられたドライフルーツを採用している。

TRAIL FRUITS
ハニーパイナップル
¥1,060ハチミツのような自然で芳醇な甘味を楽しめるクイーン種のパイナップル。最高に熟したものを低温長時間乾燥させることで、本来の甘味をさらに凝縮。
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TRAIL FRUITS
完熟マンゴー
¥1,180完全に熟したケオロミート種のマンゴーを使用。試行錯誤で温度と時間を導き出した低温長時間乾燥で、甘みと華やかな風味が楽しめるドライマンゴーに。
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TRAIL FRUITS
エーゲ海産ドライ柿
¥1,060エーゲ海の最高峰・ホナズ山の北側で栽培された、豊かな甘みと風味が特徴の蜂屋柿を使用。黒化させず美しい色合いに仕上げられているのも特徴。
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山頂でも最高のメシを食べたい。そんな思いからスタートしたのが「マウンテン グルメ ラボ」。 味のプロが山を想いながらとことん追求したその味は、きっとあなたの欠かせない存在になるはずだ。“食”が素晴らしければ、見える景色もずっと素晴らしいものになるから。次の山行には、お気に入りの味をお供させてみよう。
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一言
マウンテン グルメ ラボのシグネチャー。鶏の旨みとマイタケの香りをシェリー酒のコクと酸味が包み込む、深みのある一品。許されるならミネラル感たっぷりのワインと合わせてみて