生活とハイクが密接な
台湾独自の感性が光る

日本よりもずっとアウトドアと密接な国、台湾。都心から一時間で山頂に行くことができる環境が暮らしの中に自然とハイクや登山を浸透させ、ファッションとアウトドアの親和性を育んできた。SEALSONの代表ユン氏をはじめ、立ち上げメンバーも全員ハイカーで、休日にはロングトレイルやテント泊をしながらの山行を楽しんでいる。幼少時から当たり前に自然の中で遊んできた彼らがつくるアイテムは、無駄がなく、そと遊びをする人に対して真摯。どんなシーンにどんな機能やデザインが必要かを追求し、カタチにしている。

「コアな素材」
「地に足のついた機能性」
「揺るぎないファッション性」

SEALSONの特徴の一つは、素材選びにある。学生時代にファッションデザインを専攻していたユン氏は、建築で使われる特殊な素材のおもしろさに魅了された。ダイニーマやエコパックといった、現在ではアウトドア業界でもおなじみの素材にいち早く着目し、「ファッションやアクセサリに落とし込んだらおもしろいのではないか」と考えをめぐらせたという。

もちろん、ただ奇抜さを狙うだけではなく、自身の経験から感じる「ハイカー目線で便利な機能」や、台湾のハイカーたちにとって欠かせない「都市に戻ってきたときのカッコよさ」というファッション性とのバランスも追求。実際、モノトーンをベースとしたスタイリッシュなデザインはコーディネートしやすく、機能を損なわずに個性も出せるサコッシュやデイパックはアクセントにもなる。都市と山をシームレスにつなぐファッションの要となるアイテムに、ハイカーやキャンパーが魅了されるのは必然だろう。

カルチャー薫るデザインが
大人たちの心をくすぐる

カルチャー薫るデザインが
大人たちの心をくすぐる

シンプルながらどこか未来的で、個性的なディテールを取り入れたデザインは1990~2000年代のテクノミュージック、実用的な機能は主にミリタリー系の古着からインスパイア。高感度ながらどこか親しみやすさも感じさせるプロダクトデザインは、日本に生きる我々にもなじみのあるカルチャーの影響が色濃く表れているからだろう。