「福善」とは?
岐阜県美濃加茂市の工場発のアウトドアブランド「福善」。業務用食品カッター(かき氷、キャベツの千切りなど)電気で動くような刃物を法人向けに開発しています。
1940年愛知県の一宮で創業、その後関市、そして現在の美濃加茂市に拠点を移しました。社長を務めるのは初代社長の孫にあたる3代目福久 優司(ふくひさ まさし)さん。
今回は老舗刃物メーカーがなぜアウトドアの製品を開発したのか。実際にインタビュー取材しました。
なぜアウトドアギアの
開発に至ったのか?
福善の商品はOEM(他社ブランドの製品を製造すること)がほとんど。
他社にはない特殊な加工技術を持っているのにも関わらず、自社オリジナル製品が少ないことを残念に思い、アウトドアに向けた製品開発をしたのが始まりです。
当時はアウトドアも流行り出しており、キャンプの定番ギアの焚き火台を検討しましたが、技術的に得意分野じゃない。かといって刃物メーカーが刃物作っても面白くない…。
刃物の技術を使って作れる、刃物以外のギアを作ろうと考えた結果がキャンプで使うペグでした。
自社開発ならではの
スピード感で
第一弾製品を発売
ペグを作ろうと決めてから発売に至るまでの期間はわずか半年。
コロナ禍により本業が手隙になったタイミングだったため短期間集中して完成にこぎつけました。
といいつつも、製作途中20cm、10cm、15cmと長さを変えたり、サイズを変更したりで結果10種類くらい試作品を作っています。
初めて発売したギアは日本刀を思わせる怜悧なフォルム、また厚さ3.5mmという薄さ、それでいて石の多い地面にもザクザク打てる頑健さを持つペグ「打刀 20cm」。
試験結果を第三者機関に依頼し、ユーザーに信頼・納得して購入してもらえるよう工夫をしました。
ペグを作ろうと決めてから発売に至るまでの期間はわずか半年。
コロナ禍により本業が手隙になったタイミングだったため短期間集中して完成にこぎつけました。
といいつつも、製作途中20cm、10cm、15cmと長さを変えたり、サイズを変更したりで結果10種類くらい試作品を作っています。
初めて発売したギアは日本刀を思わせる怜悧なフォルム、また厚さ3.5mmという薄さ、それでいて石の多い地面にもザクザク打てる頑健さを持つペグ「打刀 20cm」。
試験結果を第三者機関に依頼し、ユーザーに信頼・納得して購入してもらえるよう工夫をしました。
2020年7月にのスタートさせたクラウドファンディング「Makuake」では驚異の7600%達成。
同年12月にはファミリーやグループなど大きめのテントを張る人に向けて28cmが開発・発売されました。
発売から3年経ったいまもなおたくさんの方に支持されています。
ユーザーが使い方を広げる。
汎用性の高い鍔(つば)
打刀28cmを発売した後、開発したのが鍔(つば)。ペグが刀をイメージにしていたので、自然と鍔を作ることになりました。
また打刀を使っている方からペグダウンした時に見失っちゃうという意見もあり、鍔があればペグを見失わないじゃないかと思いました。
打刀28cmを発売した後、開発したのが鍔(つば)。ペグが刀をイメージにしていたので、自然と鍔を作ることになりました。
また打刀を使っている方からペグダウンした時に見失っちゃうという意見もあり、鍔があればペグを見失わないじゃないかと思いました。
ただ、ペグの目印のみが使用用途になってしまうと荷物になっちゃう可能性もあったため、何か汎用性の高い使い方ができないかな?と試作を重ねました。
結果、中心の長穴と外周にある4つのトグルを利用して様々なロープワークが楽しめる製品に仕上がっています。
ただ、ペグの目印のみが使用用途になってしまうと荷物になっちゃう可能性もあったため、何か汎用性の高い使い方ができないかな?と試作を重ねました。
結果、中心の長穴と外周にある4つのトグルを利用して様々なロープワークが楽しめる製品に仕上がっています。
用途だけでなく、こだわったのは価格。鍔はあくまでオプションパーツのためペグよりはリーズナブルな価格で発売したいと考えていました。
現在では自分たちが考えた使い方以外にも様々な使い方をユーザーさんが紹介してくれます。
用途だけでなく、こだわったのは価格。鍔はあくまでオプションパーツのためペグよりはリーズナブルな価格で発売したいと考えていました。
現在では自分たちが考えた使い方以外にも様々な使い方をユーザーさんが紹介してくれます。
実は打刀20cmのときから
試作していた。
影隠(かげかくし)
影隠は割と初期から考えていたギアの一つ。20種類くらい図面を引き、10種類実際に試作しています。
テントに元々ついている自在金具はサイズが大きくて目立ってしまうのでは?という社長の気持ちから製品化が決まった商品です。
自在金具としての機能を維持しつつ、なるべく軽く、いらないところを削ぎ落とすことに重きをおいて製作しました。
またテントをかっこいい張り姿にしたいというユーザーの意見も後押しになっています。
商品名はロープの陰に隠れちゃうくらいのサイズから取りました。
ついに刃物会社のナイフ
「銀閃花(ぎんせんか)」が
発売
福善初のアウトドア向け調理用ナイフ「銀閃花」がついに発売開始。コンセプトは軽量で持ち運びしやすく、キャンプの定番である肉料理を切る和風なナイフです。
銀閃花の形状は和式ナイフである剣鉈を参考にしています。ブレードの刃先はストレート型を採用し、刃先で調理しやすい形状にしています。
サイズは全長約16cm、刃渡りは7.5cm、持ち手の幅は約1.5cmとコンパクトサイズ。重量は鞘を含めても約37gと非常に軽量です。
老舗刃物メーカーが作る初めてのアウトドアナイフぜひ手に取ってみてください。