
極限に薄く、軽く、コンパクトに。UL(ウルトラライト)スタイルで求められるそれらの条件を満たしつつ、優れたプロダクトデザインに昇華させるブランドがある。それが「フィールドレコード」。“形態は機能に従う”というポリシーに沿って製作される製品は、使う者と自然をより近づけてくれる。
デザインエージェントが追求した
「機能美」というアウトドア道具のゴール

2018年にローンチした「フィールドレコード」は、プロダクトデザイナー岡本光市氏によって2006年に設立された「共栄デザイン」が手がける。世界各国の美術館やショップで扱われる同社の製品や作品は、まさに機能から生まれたプロダクトであり、またアートだ。
「フィールドレコード」は、そんな同社のポリシーを踏襲する。デザインは実にユニーク。アーティスティックなアプローチと言えるが、しかしその実は無駄な装飾性を省いた必要最低限な性能を、形状から素材まで徹底している。ユニークなデザインは、あくまでその結果なのだ。


デザイナー 岡本光市さん
1970年、静岡県生まれ。「共栄デザイン」を設立する以前にはオランダのテクノレーベルより音源をリリースするなど、サウンドデザイナーでもあるという異色の経歴。自らもトレッキングなどを楽しみ、その経験が製品にフィードバックされている。
「“機能を形に”をコンセプトに軽量かつ快適に過ごすための物づくりのほとんどを自社生産にて行っています。見える景色や経験をより良くするため、人はモノを作り、運び、使い、考えます」
大地で過ごした時間を
豊かな記憶=“RECORD”に
変換するブランド
FIELD RECORD
アイテム一覧を見る形から素材、細部に至るまでULのイズムを
貫いた秀作たち
単に薄さや軽さ、コンパクトさだけに特化したのではなく、それを優れたデザインとして成立させる「フィールドレコード」。その実力は、いざ使ってこそ理解できる。数あるプロダクトの中でも、hinata注目の4ギアを紹介する。
どこでも快適に座れる超軽量&高耐久な最先端座椅子FR-CCF with Dyneema®[写真左]
透けるほど薄く軽いのにタフ

透けるほど薄く軽いのにタフ
同じ重量ならスチールの約15倍の強度を誇るダイニーマ®は、岩場でも安心。それでいて透けるほど薄く、重量もりんご1個分と極軽量。
極軽量だけど快適性もバッチリ

極軽量だけど快適性もバッチリ
EVAシリカエアロゲルフォームとハードLDPRフォームを組み合わせたオリジナルマット。薄いながらもクッション性に優れ、断熱性も備える。
ポケットに入るほどコンパクト

ポケットに入るほどコンパクト
カーボン製のフレームは3つ折りでき、さらにワンアクションで組み立てられる。折り紙のような構造と相まって、収納時の厚さはわずか約5cm。
無駄なく快適な就寝環境を1セットで手に入れるFR-sleeping gear set AL 10
¥15,620
サイズ/マット(10mm厚):W50×D17.5×H1cm、ヒップマット(10mm厚)W45×D25×H1cm、ロールピロー(10mm厚用):18×25cm、ギアスリング:55×20cm
重量/合計514g
素材/マット:LDPEフォーム、ロールピロー:ポリウレタン、ギアスリング:400Dオックスフォードクロス
オリジナルの5層構造マットを採用したスリーピングマットとヒップマット、それらを束ねるギアスリングとヒップマットを丸めてピローにできるロールがセットに。ギアスリングはバックパックへの装着も可能で、さらに解いた状態ではギアを収納するつり下げ式のポケットとして使うことができる。
就寝も着座も、さらに枕もセット

就寝も着座も、さらに枕もセット
スリーピングマット用のギアスリングは、ストラップにフックが設けられており、吊り下げてメッシュポケットにギアを収納することができる。
必要な面積だけをカット

必要な面積だけをカット
日本人の平均体型に沿った形状は、シュラフ内に敷くことを想定。アルミ蒸着フィルムをポリエステルシートとLDPEフォームで挟んだ5層構造で、体温を反射・保温する。
体重に合わせて選べる厚み

体重に合わせて選べる厚み
スリーピングマット、ヒップマットともに、8mm、10mm、12mmと異なる厚みをラインナップ。他に折りたたみタイプで3mmと5mmも展開している。
マットケースがギアの収納に

マットケースがギアの収納に
スリーピングマット用のギアスリングは、ストラップにフックが設けられており、吊り下げてメッシュポケットにギアを収納することができる。
折り紙発想で実現したわずか45gのミニテーブルFR-ULT
¥3,960
サイズ/W29×H7×D21cm
重量/45g
素材/本体:ポリプロピレン、コード:ダイニーマ コアリフレクティブ ライン
軽量で適度に強度もあるポリプロピレン製のウルトラライトテーブル。1枚のシートに折り目をつけ、さらに2本のガイラインを通したシンプルな作り。ガイラインを引っ張ることで、折り目に沿って立体的なテーブルが立ち上がる仕組みだ。付属のエアロゲルポットマットを上に敷けば、熱い飲み物が入ったカップも置ける。
折りたたむと薄いシートに

折りたたむと薄いシートに
ガイラインを緩めれば、2つ折りにすることが可能。1枚のシートなのでとても薄く、バックパックの隙間などに収納することができる。
簡単にして強度もしっかりと

簡単にして強度もしっかりと
裏面には2本のガイラインが走る。両端にはロックがあり、ガイラインを互いに引っ張りロックすることで、足が立ち上がりテーブルになる仕組みだ。
夜間使用もしやすいリフレクター

夜間使用もしやすいリフレクター
夜間、地面に置いた際に誤って踏んでしまわないよう、ガイラインにはリフレクティブ機能が。ガイラインの芯には、軽量かつ高強度なダイニーマ®を採用する。
世界最軽量クラスの自立式テント
近未来フォルムが提供する軽さと強さFR-SCD
¥149,600
サイズ/W108×H95×D258cm
重量/490g
素材/本体:ダイニーマ、ポール:イーストン カーボンポール、ガイライン:ダイニーマ芯リフレクティブ
本体とフレーム合わせて500g以下という超軽量の自立式シングルウォールテント。本体には水に浮くほど薄く軽量ながら摩擦や引き裂きに対して高い強度を誇るダイニーマ®を、フレームにはカーボンポールを採用する。独特なシルエットは、人体の形状に沿いつつ風の受け流しやテント内の気流を計算してのこと。
無駄を削ぎ落とした最適形状

無駄を削ぎ落とした最適形状
極軽量を実現するために、居住性を確保しつつデッドスペースを極力削減。それにより、まるで宇宙船のようなユニークなシルエットに辿り着いた。
素材だけでなく縫製も軽量化

素材だけでなく縫製も軽量化
同重量ならスチールの約15倍強いダイニーマ®。同素材のグランドシートとで、地面が荒地でも安心。極限まで軽くするため、縫製と熱圧着を使い分ける。
高品質カーボンで安定感も抜群

高品質カーボンで安定感も抜群
スリムかつ軽量ながら高い強度を誇るカーボンポール。高級ロードバイクなどでもお馴染みのイーストンカーボンを採用している。
単に空気を通すだけじゃない

単に空気を通すだけじゃない
独特なシルエットの本体は、4箇所のベンチレーションホールと相まってテント内に気流を生み出し、テント内に発生する結露を軽減する。
細部に至るまで機能性を徹底

細部に至るまで機能性を徹底
テント内にはカラビナやランプなどを引っ掛けるループが。軽さを追求しつつも、実用性もしっかりと考慮されている。もちろん、張るのも簡単だ。
理由のあるデザインが魅力の
FIELD RECORDの哲学を
機能に基づくデザインの魅力は、いざ使えばUL愛好家だけに限らず様々なアウトドア好きにも伝わるはず。そんなアウトドアの可能性を広げてくれる「フィールドレコード」の世界を、さらに見てみよう。
