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【消防ホースをキャンプギアへ】FIRE HOSE PRODUCTS×hinataが生み出す「新たな世界」とは

 

キャンパーにも「環境保全」は大切なキーワード。
焚き火台で地面を保護したりゴミを持ち帰ったりと、何かと気にかけている人も多いはずです。
そこでhinataがオリジナルのキャンプギアづくりにタッグを組んだのが、
不用品を新たな製品に昇華させるブランド「FIRE HOSE PRODUCTS」。
今回はデザイナーの中居孝仁さんに、私たちがアップサイクル品を手にするべき理由を教えてもらいました。

廃棄品に無限の可能性を与える「FIRE HOSE PRODUCTS」

使用期限が切れた消防ホースを新たな製品に生み変わらせているのが、
レザー製品づくりも手がける中居孝仁さんが2015年に立ち上げたブランド
「FIRE HOSE PRODUCTS(ファイヤーホースプロダクツ)」
です。

FIRE HOSE PRODUCTSが拠点を構えるのは長野県岡谷市という自然豊かな場所。
中居さんは、その地でたまたま出会った「消防ホース」がもつ素材としてのポテンシャルの高さや、
廃棄されるはずのものに新たな命を吹き込む「アップサイクル」のおもしろさに夢中になっていったそう。
そんな限りある資源を再利用する取り組みこそ、
これからもずっと自然と遊ぶキャンパーに意識してもらうべきなのでは。
そう考えたhinataは、FIRE HOSE PRODUCTSとタッグを組んで、
消防ホースを再利用したエシカルなギア収納ケースを、hinataオリジナル商品の第3弾として生み出しました。 

鮮やかなブルーから都会的なブラックまで、そのカラーリングもアイコニックなFIRE HOSE PRODUCTSの製品たち。
実はこれも、消防ホースの内側の色をそのまま生かした結果。
とはいえ、消防ホースのメーカーによって色が異なるうえ、
そのときの廃棄品の量を事前に予測することが難しいこともあるそうです。
「何色をどれだけ制作できるかはわからない。
だけどそれも楽しいところだと感じています」と中居さんは語ります。
また、「消防ホースの素材は布とレザーの中間のような感覚です。
布ほど柔らかくなく、レザーほど硬すぎない。
成形するためにはその具合がちょうどいいんです」とも教えてくれました。

FIRE HOSE PRODUCTS×hinataで誕生した「唯一無二のキャンプギア」

こちらがhinataがFIRE HOSE PRODUCTSとの協業でつくり上げた、
「フラットバーナー・マルチグリドルケース」と「ファイヤーギアケース」です。
もちろんどちらも廃棄されるはずだった消防ホースをアップサイクルしたもの。
素材の良さ×匠の技×hinataの想いが見事に結びついた、ここだけでしか手に入らない逸品です。
FIRE HOSE PRODUCTS×hinataのフラットバーナー・マルチグリドルケース
フラットバーナー・マルチグリドルケースは、
スノーピークの「フラットバーナー」やキャンパーの大定番
「JHQ鉄板マルチグリドル(33cmタイプ)」がちょうど収まるサイズ
に制作されているのがポイント。
「マッチするケースが見つからない…」と悩むキャンパーが多いフラットバーナーとマルチグリドルですが、
このケースがあればスマートに問題解決できるというわけです。
フラップの閉まり具合を調整できるバックルストラップを装備しているのもうれしいところです。
入れるものに合わせて柔軟に容量変更できるので、
ほかのキャンプギアの収納もいろいろ試してみるのも楽しいはず。
FIRE HOSE PRODUCTS×hinataのファイヤーギアケース
素敵なケースに出会えず、キャンプギアをそのまま保管している人も多いかもしれません。
とはいえ使ったギアは汚れているし、なんだか見た目にもよくないかも…。
そんな悩みを解決するべく生み出されたのが、こちらのファイヤーギアケースです。
長さ約46cmで、火箸やトングを入れるのにぴったり。
ケースをつり下げられるコードがあしらわれているのも、
キャンパーを大切にするFIRE HOSE PRODUCTSらしいところです。

9割の未活躍品を100%生かせるアウトドアフィールドへ

ここからはあらためて、FIRE HOSE PRODUCTSのアトリエ兼ショップにお邪魔して、消防ホースとの出会いや、
hinataとのタッグをスタートさせた理由、
hinataオリジナル商品「フラットバーナー・マルチグリドルケース」「ファイヤーギアケース」への想いなどを伺います。
FIRE HOSE PRODUCTS デザイナー 中居孝仁さん

中居さん:元々はレザー製品をつくっていたんですが、レザーにほかの素材をミックスしてものづくりをしたいと考え始めて。
そんなタイミングでたまたま出会ったのが、廃棄される消防ホースでした。
とある倉庫にドサッと消防ホースが置いてあって「これは捨ててしまうんだよ」と。
廃棄されるホースがたくさん出ると聞いて、1本いただいてつくってみたのが始まりです。
使用期限を迎えて、使われないまま捨てられてしまう消防ホースもたくさんあるそう

布よりも成形しやすく、レザーほど硬くなく、水にも強い。
そんな消防ホースの「素材としての魅力」に魅了されたという中居さん。

中居さん:バイクでのツーリングやスノーボードも楽しんでいるので、雨や雪などの水に強い素材は使いどころがたくさんあるなと思いました。
昔から欲しいと思ったものを自作していたこともあって、まずはそこに惹かれましたね。
 
筒状のホースを割いて平らにし、切り口をきれいに整えるのも手作業です

また、使える幅が決まっているという、ホース由来の素材ならではの制限があることにも、創造性をくすぐられたと話します。

中居さん:まずホースを割いて、アイロン掛けをして平らにするのですが、生地としてはその幅しか取れないわけです。
この幅ありきで、「どう繋ぐか、どうデザインしていくか」と考えるおもしろみがあるんですよ。
元々あるものを新しいものに生まれ変わらせるという、そんな作業に気持ちが高まりました。
そして、今回hinataとのコラボアイテムをつくるに至ったわけですが、
昔からツーリングキャンプをしている中居さんだけに、
消防ホースをキャンプギアに落とし込むのもお手のもの。

中居さん:この素材は、水に強いのはもちろん丈夫なのも特徴です。
消防ホースに使われているくらいだから「燃え上がらない」という特性も、火がそばにあるキャンプには最適だと考えました。
そこで今回は、バーナーやグリドル、火箸などを入れることを想定したケースに仕上げたというわけです。
オリジナルのダブルネームタグ。裏側には「火の用心」と洒落を利かせて

過酷な条件下で使われている素材だけあって、タフさはお墨付き。
ツルリとした表面が水を弾くので、汚れがつきにくいというメリットも備えています。

中居さん:汚れてもちょっとタワシでこすれば大丈夫。
素材が傷むことなく汚れだけ取れるんですよ。
キャンプ中にギアの扱いにものすごく気を使っていたら、楽しめないじゃないですか。
だからこのケースは、ストレスを感じずラフに使ってもらいたいと思っています。
ミシン針を行ったり来たりさせて繋ぎ目をしっかり縫製するのも、タフなアイテムづくりには欠かせない作業
ラフに使うことを想定した「FIRE HOSE PRODUCTSの製品らしい壊れにくさ」も、もちろん踏襲されています。

中居さん:すべて手作業でつくっていますから、細部までとことんこだわれます。
たとえば大量生産される品って、繋ぎ目のところから壊れやすかったりもするんですよね。
一カ所が切れたら、そこからビリビリッといっちゃう。
そうなりやすいところはダブルステッチで強度を確保したりと、
レザー製品で培ってきた技術がこんなところにも生きています。
自身で建てたアトリエはウッド基調。薪ストーブもあり、温もりある空間が広がっています
FIRE HOSE PRODUCTS×hinataの「フラットバーナー・マルチグリドルケース」と「ファイヤーギアケース」には、
キャンプを楽しむ中居さんだからこその「こんな品があったら便利だよね」という想いも注入されています。

中居さん:アップサイクルという背景も、例えばキャンプの晩酌をもりあげる要素になるかなと思っています。
消防ホースには、“どこどこメーカーの何年製”なんていうデニムパンツみたいなウンチクも語れるんです(笑)。
キャンプ中はたくさん時間がありますし、そんな会話も楽しみながら使ってもらえたらうれしいですね。
「今回のケースを“こんなふうに使っている”なんていうフィードバックをもらえたら、新しいアイデアにも繋がりそう」
廃棄されるものを生まれ変わらせたり、
経年変化も楽しいレザー製品に携わっているだけに、ものを「永く使ってほしい」という想いも強いそう。

中居さん:キャンプブームが落ち着いて、本当に好きな人が楽しんでいる時代に入ったと思うんですよ。
これまで以上に自分だけのギアや収納アイテムにこだわる人も増えているかと。
だとしたら簡単に買い替えるのではなくて、いい品を永く使ってほしいなと。
消防ホースをアップサイクルで永く使えるキャンプギアにした、「FIRE HOSE PRODUCTS× hinata」のアイテムを選んでもらえたら本望です。